令和6年 佐々木会長 年頭挨拶
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員各位におかれましてはお健やかに新年をお迎えのことと大慶に存じます。旧年中は、協会の会務運営にご理解とご協力を賜り、衷心より感謝を申し上げます。
4年におよぶ新型コロナ感染症の収束の兆しがようやく見え始めたさなか、ロシアの一方的なウクライナ侵略に続き中東でも紛争が勃発、東南アジア諸国での東シナ海をめぐる覇権問題など世界各地で政情不安が深まり、先行き不透明のままの令和6年のスタートとなりました。
国内においては、岸田政権が減税と増税、賃上げ等の政策を掲げ様々な政策を打ち出しましたが、長引く侵略・紛争等の世界情勢や人手不足の影響など我が国経済の厳しさは依然予断を許さない状態にあります。
わけても住宅建設費が高騰したことにより分譲住宅や分譲マンションの販売価格が一気に上がり、一次取得者の購入に影響を及ぼしており、こうしたことが中古市場にも及んでくることが予想されます。
全宅連では住宅ローンの控除拡大や各種不動産関連の税制対策を宅建政治連盟とで政府に強く要望しております。一日も早い安定と反転する経済の活性化を期待したいものです。
そのような中で、国内においては将棋の史上最年少で藤井聡太竜王名人が誕生、米国野球では投打二刀流の大谷翔平選手が2度目のMVPに輝くなど、若人の爽やかな活躍は先行き不透明で不安に満ちた世情にあって、多くの人々に勇気と感動と希望を与えました。
さて、我が業界におきましても様々な変化がございました。
近年社会問題となっている全国的な空き家増加問題に対し新たな空き家関連対策法が施行されました。
管理がなされず放置され近隣や第三者の安全に影響を与えるような空き家(特定空き家)に対し行政が所有者に指導勧告ができるようになり、従わない場合には過料が課せられることになりましたが、加えて固定資産税率も大幅増となります。宮城県においても空き家数は年々増加しており、協会は県内各自治体との空き家対策協定締結を更に推進し、全面的にこの問題に専門家団体として協力し向き合ってまいります。
昨年から各種不動産取引も電子化できるようになりました。不動産取引のDX化は更に推進され新たな商機につながっていくものと思います。
既に全宅連WEB書式作成システムが稼働中ですが、これに連動する全宅連ハトサポBBから、取引の申し込みから重説・契約まで一気通貫できるシステムとなりました。
更にはこのシステムからレインズや各種ポータルサイトへの掲載が可能になりました。
協会は会員支援委員会を中心に本システムの活用と各種会員サポート業務を充実させる施策を推進してまいります。
加えて、業務の現場で生ずる各種問題の相談窓口を設置して対応しておりますので、お気軽にご相談ご活用いただければと思います。
近年賃貸管理の現場ではこれまでにはなかった様々な事象が発生しております。
セーフティネット法による生活弱者の受け入れ後の対応等について行政との諸問題も生じており、宅建士や賃貸不動産管理士の調査権限拡大等を関係各機関に要請していきたいと考えております。
誰もが多くの不安を抱える今、地域事情をよく知る私たちにできることを考え、物件の持ち主や使用されている方の”「住まう」に寄り添う”この仕事が社会の重要な役割を担っていることを改めて思い、共に日々の業務を実践してまいりましょう。
末筆ではございますが、本年1月早々に発生した能登半島地震で被災された皆様方に衷心よりお見舞いを申し上げます。
変容するこの時をともに乗り越え、不動産業界の更なる発展の年になるよう、そして会員皆様のご健勝とご繁栄を念願申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。
令和6年1月
会長 佐々木 正勝