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免許の要件

2020/02/18(Tue) 10:33

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免許の申請はだれでも自由にすることができますが、業法に規定する要件に適合しなければ免許されないことになっています。
なお、(3)から(5)に示す基準は大まかな目安です。個々の判断は免許申請書の審査やその実態を調査して行われることとなります。

免許の基準

免許申請者が下表の欠格要件のいずれかに該当するときは、免許されません。

欠格要件(業法第5条第1項の概要)

  • 免許申請書やその添付書類中に重要な事項についての虚偽の記載があり、重要な事実の記載が欠けている場合
  • 申請前5年以内に次のいずれかに該当した者
    • a. 免許不正取得、業務停止処分事由に該当し情状が特に重い場合または業務停止処分違反に該当するとして免許を取者
      (その者が法人である場合は、その法人の役員であった者(※)を含む。)
    • b. 前記のいずれかの事由に該当するとして、免許取消処分の聴聞の公示をされた後、相当の理由なく 解散または廃業の届出を行った者
      (その者が法人である場合は、その法人の役員であった者(※)を含む。)
    • c. 前記の聴聞の公示をされた後、相当の理由なく合併により消滅した法人の役員であった者(※)
    • d. 禁錮以上の刑に処せられた者
    • e. 業法、暴対法に違反し、または刑法(傷害、脅迫等)、暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し罰金刑に処せられた者
    • f. 宅建業に関し不正または著しく不当な行為をした者
  • 成年被後見人、被保佐人、破産宣告を受けている者
  • <宅建業に関し不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者
  • 申請者の法定代理人、役員(*)または政令使用人が2、3または4に該当する場合
  • 事務所に専任の宅建士が設置されていない者
  • ※ 1役員であった者= 免許取消処分の聴聞の公示の日前60日以内に役員(※2)であった者。
  • ※ 2役員= 業務を執行する社員、取締役またはこれらに準ずる者(法人に対しこれらの者と同等以上の支配力を有する者を含みます。相談役、顧問、その他いかなる名称を有するかを問いません)。

免許申請者

免許の申請は、個人、法人のいずれでもできますが、特に法人の場合は、「商業登記簿」の事業目的欄に宅地建物取引業を営む旨登記されていることが必要です。また、申請者の商号または名称が次のようなものである場合は、免許を受けられないので注意してください。

ア 法令上、その名称の使用が禁止されているもの
イ 地方公共団体、公的機関の名称と紛らわしいもの
ウ 指定流通機構の名称と紛らわしいもの
エ 個人業者の場合、法人と誤認されるおそれのあるもの
オ 変体がな、図形または符号などで判読しにくいもの

事務所

事務所の範囲

本店または支店として商業登記されたもの(商人以外の者である場合は、主たる事務所または従たる事務所)。上記のほか、継続的に業務を行うことができる施設を有し、かつ、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する使用人が置かれている場所。

(注意)
  • 本店で業を行わなくても、支店で業を行っていれば、本店も「事務所」となります。
    この場合、本店には営業保証金の供託および専任宅建士の設置が必要となります。本店であるからには、具体の宅地建物取引業を行わなくても支店で行う宅地建物取引業について、何らかの中枢管理的な統轄機能を果たしているからです。
  • 支店の登記があっても当該支店において宅地建物取引業を行わない場合は「事務所」として扱われません。
  • 「支店」については、商法の規定により商業登記しなければならないこととなっていますので、従たる事務所の名称を「○○支店」として免許申請する場合は、商業登記を必ず行ってください。商業登記を行わない場合は、その他の名称(○○営業所、○○店など)を用いて申請することとなります。

事務所要件に係る証明書類について

(ア) 事務所の写真(申請書受理日前3カ月以内に撮影したもの)

次の事項に留意したものを添付する必要があります。

  • 事務所の外部を写したもの(全景が分かるもの)で事務所の案内板および事務所の入口部分が写っているもの。
  • 事務所内部(数室にわたる場合は中枢部)の執務、接客スペースなどの状況が確認できるもの。
  • 事務所がビル内に所在する場合、建物の入口またはエレベーターホールなどの事務所の案内板ならびに申請者の名称、事務所の名称を明記した事務所の入口を写したもの。
  • 業者票および報酬額表の写真は、全体が写っており、判読できるもの。業者票については「この場所に置かれている専任の宅建士の氏名」欄に記載した専任の宅建士の氏名と、申請書の専任の宅建士の氏名とが一致していなければなりません。
  • ブラインド・カーテンなどは開けた状態で写してください。

なお、新規免許申請の場合、「4」の写真は添付する必要がありませんが、個人業者が法人成りして新規申請する場合、法人から個人に免許を切り換える場合、免許換え申請の場合は添付します。

(イ) 事務所付近の地図

地図は、事務所の所在地を明記したもので、最寄りの交通機関(最寄り駅)、公共・公益施設など目印となるものの位置・方位などを明示した概略図を添付する必要があります。なお、住宅地図の写しに事務所の所在地を明示したものもよいです。

(ウ) 事務所の形態

物理的にも社会通念上も独立した業務を行いうる機能をもつ事務所として認識できる程度の形態を備えていることが必要です。

  • 同一フロアーに他の法人などと同居する場合、間仕切りで区分けするなど、消費者が明確に区別できることが必要です。
  • 住宅を事務所として使用する場合は、住居の出入口以外の事務所専用の出入口を設けていることが原則とされています。
    ただし、専用の出入口を設けられない場合でも、住宅の出入口から居住部分を通らずに出入りでき、事務所として業務を行いうる機能を備えていると判断できるものについては、当分の間、事務所として認められるとされています。
  • 仮設の建築物(テント張り、移動の容易な施設など)は原則として事務所として認められません。

専任の宅地建物取引士

ア 専任の宅建士の数

宅地建物取引業者は、事務所ごとに一定数の専任の宅建士を置かなければなりません。これに抵触する事務所などを開設してはならず、免許後に既存の事務所などがこれに抵触するに至ったときは、2週間以内に補充など必要な措置をとらなければなりません。

事務所業務に従事する者5人に1人以上の数
案内所等1人以上
イ 専任の宅建士の専任性について

(ア) 専任性認定の要件

1. 当該事務所に常勤しているかどうか(常勤性)
2. 宅地建物取引業に専ら従事する状態にあるかどうか(専従性)

(イ) 専任の宅建士が他の職業を兼務する場合

基本的には、宅地建物取引業以外の業務に従事し、または申請者以外の法人などに勤務する場合であっても、宅建士として顧客の依頼などに常に対応できるかどうかが専任性の判断となります。
下表は専任性について整理したものですが、個々の専任性の判断は実態を踏まえ行われることとなります。

兼務する職業等専任性備考
同一法人建築士事務所の管理建築士
建設業法上の専任の技術者
宅建業以外の業種との兼務
 
自営業同居行政書士
司法書士
土地家屋調査士
「同居」とは、原則として同一建物内であることとし、その他、例えば、兼務先が道路を隔てて存在する場合等は、「別居」として扱われます。
小売業・飲食業×
自営業別居行政書士
司法書士
土地家屋調査士
× 
小売業・飲食業
他の法人等に勤務等学生×夜間部の学生の場合は、○
市町村議会議員
県議会議員
国会議員
 
他法人代表者× 
役員常勤の役員の場合は、×
使用人× 

○ : 専任性が認められます。
● : 兼務する場所が宅建業の事務所と同一である場合にのみ専任性が認められます。
△ : 議会活動による拘束時間の長短等によって個別に判断されます。
▲ : 非常勤であることが明らかである場合にのみ専任性が認められます。
×  : 勤務形態にかかわらず専任性は認められません。

(ウ)専任性の証明書類

(イ)の表の▲印の箇所については、次の1から3の書類を添付し、申請することとなります。

  • 当該事務所に常勤していることが確認できる書類(出勤簿3カ月分など)
  • 兼務する法人の非常勤証明書
  • 兼務する法人が同一場所である場合は、同一であることを証する書面(見取図など)

(エ) 監査役は従事者になることも、専任の宅建士に就任することもできません。

(オ) 専任性の証明書類

宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役またはこれらに準ずる者をいう))が宅建士であるときはその者が、自ら、主として業務に従事する事務所などについては、その者は、その事務所などに置かれる成年者である専任の宅建士とみなされます。

政令使用人

ア 政令使用人の位置づけ

政令使用人は、「宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する使用人」とされています。契約締結権限を有する代表取締役が常勤する場合は政令使用人を設置する必要はありませんが、それ以外の事務所には設置する必要があります。

イ 政令使用人設置の要否
事務所の体制設置の要 否
本店(主たる事務所)申請者である代表取締役が常勤する×
申請者である代表取締役が常勤しない
申請者である代表取締役が他法人の代表取締役を兼務する
申請者である代表取締役が他法人の役員を兼務する
支店(従たる事務所)申請者である代表取締役が常勤する×
申請者以外の代表取締役が常勤する○(※)
専任の宅建士のみが常勤する

○ : 政令使用人を設置する必要があります。
△ : 他の法人における勤務状況により判断されます。
×  : 設置する必要はありません。
※ 申請者以外の代表取締役は、申請者である代表取締役と権限は同等ですが、従たる事務所に常勤する場合には、免許申請上は政令使用人として設置します。

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